松本市の3DCG産業育成プロジェクトは、デジタルシティ松本推進機構(DigiMAT)プロジェクトのひとつとしてデジタル分野における地域の産業活性化と目指し、人材育成と産業育成の2つの柱を起点として進められています。このプロジェクトでは、3DCGを活用した観光やエンターテイメント産業を支えるエキスパート人材の育成に注力し、3DCG制作の基盤となるモデリングなどの制作を主とした教育プログラムや、映像制作会社へのアプローチによる制作業務受託。地域に暮らしながら学び、スキルを磨ける環境を整備することで、デジタル技術に精通した人材を育てています。

デジタルシティ松本推進機構(DigiMAT)プロジェクトについて

育成された人材は市内での3DCG制作拠点の運営や国内外とのビジネス拡大に携わり、3DCG産業の育成と発展そして、世界に向けての地域ブランディング向上に取り組んでいます。今回の取り組みにより、新たな雇用の創出や産業基盤の強化が期待され、人材育成から始まる循環型の産業成長モデルを通じて、松本市は地域経済の持続可能な発展を目指しています

プロジェクトのロードマップ

松本市が進める3DCG産業育成プロジェクトのロードマップは、段階を踏んで産業の発展を図る計画です。最初の段階は調査研究フェーズで、ここでは3DCG技術の現状や課題を詳しく分析します。

地域ならではの特性に合った適用可能性を見極めることが重要で、人材や資源の確認もこの段階で行われます。次の成長期では、専門的な人材の育成が焦点になります。地元の企業や教育機関との協力を強め、3DCG制作の基盤をしっかり築く必要があります。こうした取り組みにより、デジタル技術に精通した人が増え、地域の創造産業が活性化します。

その後の発展期では、他地域や他国との競争に対応しながら、市場展開を目指します。プロジェクトの成果を広げることで、地元ブランドの価値が高まっていくと期待されるフェーズです。観光やエンターテイメント分野でもその成果が活かされていくでしょう。

最後の自走フェーズでは、地域の企業や人材が自立して運営・発展を続けられるようにすることが目的です。この時期には、収益モデルの確立が鍵となり、地域経済にプラスの影響を与えることが期待されています。このプロジェクトを通じて、松本市は新たな雇用を生み出し、地域ブランドの価値にもプラスを加え、持続可能な地域経済の実現を目指しています。各フェーズで目標を達成するためには努力が必要ですが、成功すれば大きな成果が見込まれます。

各フェーズの概要

調査研究フェーズ

この段階では、3DCG技術の現状と課題を分析し、地域特性に基づいた適用可能性を検証します。また、必要な人材やリソースを特定し、外部パートナーとの連携を模索します。

基礎構築期

このフェーズでプロジェクトは3DCG産業の基礎となる制作の座組の組成をおこないます。3DCGの制作をおこなう人材を幅広く域内外から集め、制作案件の受注体制を整えます。

成長期

エキスパート人材の育成が中心となり、3DCG制作の基盤構築を進めます。このフェーズでは、地元人材にデジタル技術を活用させ、創造産業を活性化させることが目的です。地元企業や教育機関との連携を強化し、制作拠点の整備を行います。

発展期

市場展開と国際的な競争力を高めるため、プロジェクトの成果を広く普及させます。地元ブランドの向上を目指し、観光やエンターテインメント分野への応用を推進します。

自走期

地域企業や人材が独自に運営・発展できる状態を目指します。ここでは、プロジェクトの自立性を確保するための収益モデルの確立と地域経済への貢献が重要です

松本市(Digimat)はこのプロジェクトを通じて、新たな雇用創出や地域ブランディング向上を目指します。

プロジェクトの目指すエコシステム

イベント開催における国内外へのアピール

「松本市」をテーマにした3DCG作品を全国から募集し、松本市の取り組みを国内外へ発信。関係人口の増加と地元ブランド力向上を図ります。

教育機関と連携したワークショップの実施

地域大学や専門学校と提携し、デジタル技術や3DCG制作を学ぶ勉強会を開催。次世代クリエイターを育成し、産業の基盤を強化します。

クラウドワーカーによる制作座組の組成

松本市内のクラウドソーシングの座組を活用し、多様なスキルを持つ専門家を集結。市民主体のプロモーションと効率的なプロジェクト運営を実現します。

制作案件の受託

国内外からの制作依頼を受け、プロジェクトを通じて雇用拡大と新たな収益源を確立します。

成果と期待される効果

本プロジェクトによって期待される成果の一つは、デジタルコンテンツ産業の育成により地域内での雇用の創出が図られることです。これにより、地元で働く場を確保し、地域経済の活性化に繋がるとともに、若者の市外流出を防ぎます。また、3DCGの作品を募集する映像祭を通じて松本市の魅力を世界中に発信することで、観光客の誘致も可能となり、観光産業の新たな発展が期待されます。

プロジェクトの具体的な成果として、デジタルスキルを持った人材の育成により、市内の企業が高い品質の3DCG制作を受託することが可能となります。これにより、地域内のクリエイティブな産業が発展し、市全体の競争力が向上します。さらに、産業育成をアピールするイベント開催により、地域の文化や歴史を日本国内のみならず海外に向けた発信をします。

地域経済への影響

私たちのプロジェクトは、地域の経済に対してポジティブな影響を与えていきます。具体的には新しい雇用の創出だけでなく、地域のビジネス環境の活性化も期待されています。

デジタル産業の進展によって、松本市内で働く場が増え、地元の人々が就職できる機会が広がり、地域内での消費が増加することで、経済の循環がより活発になります。松本市は長野県のなかでも生産者人口の比率が最も高い行政エリアとっています。さらに3DCG制作のスキルを持つ人材が育成されることで、市内の企業は高品質な制作業務を受ける機会が増加します。これは地域のクリエイティブ産業の競争力を向上させ、企業の成長に寄与する要因となります。ただし、人材育成や制作業務での成果が短期的に上手くいかない場合、期待される雇用の創出や経済効果が薄れるリスクがあります。したがって、地域内外との連携を強化し、資源を最大限に活用することが重要です。こういった取り組みを通じて、地域の発展を支えるためには、市民や企業の協力が欠かせません。

今後の展望とビジョン

プロジェクトの最終的な目標は、松本市がデジタルコンテンツ制作のハブとして国内外で認知され、多くのデジタルクリエイターや企業が集まる拠点となることです。これにより、地域内でのビジネスが活性化し、新たな経済の流れが生まれることが期待されます。また、次世代のための持続可能な地域づくりを目指し、地域住民と協力しながら、松本市の魅力をさらに引き出していきます。

今後の展望としては、3DCG制作技術の更なる向上とともに、最新技術を取り入れたコンテンツ制作への取り組みも視野に入れています。これにより、より高度なデジタル体験を提供し、世界中のユーザーに松本市の魅力を発信していきます。持続的な成長と革新を続けることで、松本市は未来への一歩を踏み出し、地域の繁栄と発展を実現します。

具体的な取り組み内容

プロジェクトの取り組み

テレワーカーの募集による3DCG制作の座組の組成

トレーニングキャンプによるワーカーのスキルアップ支援

3DCGの作品を集めた映像祭の開催

今後、3DCG制作を産業として確立するために、市内の事業者や日本全国のクリエイターと協力して受託事業を行います。具体的には、地元の専門学校や大学と連携し、デジタルコンテンツ制作の教育プログラムを提供。また、プロジェクトでは、松本市内のクリエイターを対象にした無料のワークショップを開催し、実践的なスキル習得の場を提供します。さらに、松本をテーマにした3DCG作品のコンペティションイベントを企画・開催することで、地域のデジタル産業の発展を目指します。

テレワーカーの募集による3DCG制作の座組の組成

テレワークを通じて、自由な働き方を実現しませんか?本プロジェクトでは松本市が運営するコワーキングスペース33gakuで、自宅や好きな場所で活躍できるワーカーを募集中です。主な業務内容は、Blenderをつかった3DCGのモデリング作業です。未経験者でも始めやすいようにトレーニングキャンプも実施します。

あなたのスキルやライフスタイルに合わせた案件を選べるため、空いた時間を有効活用して収入を得られます。特に主婦や副業をお考えの方におすすめです。オンラインでのサポートも充実しており、安心して始められる環境が整っています。

PCやスマートフォンがあれば、全国どこからでも参加可能。自分らしい働き方を探している方はぜひ33gakuで新しい一歩を踏み出してください。私たちと一緒に、より良い未来をつくりましょう!

まずはこちらのフォームからワーカー登録(無料)をしてください。

Blenderトレーニングキャンプ

Blenderトレーニングキャンプは、3DCG制作の技術を習得したい人のためのプログラムです。初心者から上級者まで対応するコースがあり、参加者のレベルに合わせて授業が行われます。

このプログラムの大きなメリットは、全くの初心者でも参加できることです。事前に知識がなくても、一からしっかりと基本を学ぶことが可能です。参加費は無料で、必要な機材を借りるサービスも用意されています。

2025年の初級編は1月25日(土)から26日(日)に実施されます。申し込みの期間は2024年12月16日から2025年1月17日までで、参加資格は松本市に住む高校生以上です。Blenderを学びたいという意欲を持っている方が対象です。

定員は20名ですが、申し込みが早い者から受け付けられるため、早めの手続きがおすすめです。実際のトレーニングでは、モデリング、テクスチャリング、アニメーションなど、制作に必要な知識を一通り学べます。これによって、参加者は3DCG制作の第一歩を踏み出せる貴重な経験を得ることができます。

Blender 初級編

日程

日程および募集期間

2025年 1/25(土)-26日(日)10:00~17:00

募集期間  2024年12月16日(月) ~ 2025年1月17日(金) 17:00まで

募集人数 18名 (上限に達し次第締め切りとなります)

応募資格

高校生以上でblenderを学習したいという意思をもった松本市内在住の方

参加費用  無料

必要なもの

■Macbook or WindowsのノートPC(レンタルあり)

【必要スペック】

MacBookの場合 : OSがVenturaかSonoma。メモリが8GB以上。ストレージ空き容量50GB以上。

Windowsの場合 : OSがWindows(10、11) 64bit(Pro、Home)。メモリが8GB以上。SSD空き容量50GB以上

事前準備/

学習事項  事前知識は一切不要です。(予習内容あり)

 

目的

Blenderの初期段階を学習し、3DCG制作のスタート地点に立つことを目指します。

学習内容

具体的なトレーニング内容としては、モデリング、テクスチャリング、アニメーション、ライティング、レンダリングなど、3DCG制作のプロセスの概要を網羅。参加者は実践的な学習を通じて3DCGモデリングの基礎を学ぶことができます。

お申し込みにはサザンガクのテレワーカー登録が必要です。

松本市3DCG映像祭

松本市3DCG映像祭の意義とは

映像祭を開催することは、地域に数多くの利点をもたらします。特に、松本市の独自の文化や魅力を、国内外に広める良いチャンスとなると私たちは考えます。

「松本市+one」をテーマにした作品募集は、参加者が自由に創造性を発揮できる場を提供するとともに地域のブランドイメージ向上にも貢献します。

こういったプロセスを通じて、新しいデジタルコンテンツの創造が期待され、地域のデジタル産業にも活気が生まれます。また、地元の教育機関や企業との連携も不可欠です。こうした協力があれば、参加者は自分の作品制作を通じて実践的なスキルを得られるだけでなく、地域内での人脈形成も促進されます。

このように、映像祭はクリエイターが成長するための貴重な場であり、新たなビジネスのチャンスも生み出すことができます。この映像祭の実施を通じて、松本市がデジタルクリエイティブ産業の中心地として認知されることが期待され、これは地域の経済活性化や観光客誘致にも寄与し、持続可能な発展を促進する重要な意義と私たちは考えます。

応募条件

・応募対象は応募者自身のオリジナル作品に限ります。模写作品・二次創作はNGといたします。応募者が作品に対する権利を有しており、商用化されていないことが条件です。※他者の著作物を侵害する行為はおやめください。
・過去にコンテストなどで入賞した作品ならびに他コンテストへ応募中の作品は応募対象外です。
・応募は1人あたり1作品までとなります。また、ご本人が制作した作品のみが対象です。
・ご応募いただいた作品は審査結果にかかわらず、CGWORLD.jpの記事や松本市ホームページなどにてご紹介させていただく可能性がございます。
・制作にあたって最終出力にAIを用いた作品はNGといたします。

松本市3DCG産業育成プロジェクトのまとめ

- 松本市では3DCG産業の育成を進めています
- 人材育成と産業成長が主要な柱となっています
- 教育プログラムを通じてスキルを習得できる環境を整えています
- 地域のクリエイターの育成に力を入れています
- プロジェクトは地域の新たな雇用を創出します
- 自主運営できる体制の確立を目指しています
- 地域企業との連携が重要な要素となります
- デジタルコンテンツ制作の中心地として認知されることを目指しています
- トレーニングキャンプや映像祭の開催を予定しています
- 地域ブランドの向上を図るために 未来に向けたビジネスモデルの創出をめざします